経理マンでもFIREしたい

〜とあるアラフィフ経理マンの早期退職を目指す日常〜

働くことと資産運用(情報入手の観点から)

早期退職を目指していると言っているのに、真逆のことを書くことになるかもしれない本日のテーマとなっております。

小さい会社では経理と財務の区分がなく、経理部隊が一括して財務周りも扱うことが多いため、そういう会社の経理マンは銀行をはじめとした金融機関とのお付き合いも多々あります。金融機関からは金融商品等の紹介だけでなく、市場環境や経済予測などの情報提供もよくあります。

新型コロナウイルスが蔓延しだしてからしばらくして物価が上がりだし、今は少し落ち着きましたが、2022年を中心に値上げラッシュの年となりました。実は私は値上げが常態化する恐れがあるのではないか、ということをその前年あたりから肌感覚で感じておりました。

そのころ勤めていた会社は輸入原料が主材料となる製品も作っておりましたが、その中のある輸入原料の購入価格が、今まで見たことのないとんでもない価格になっていくのを目の当たりにしました。通常の価格が100とすると200~300の価格に跳ね上がっていくようなイメージです。その会社では、製品のコストに占める輸入原料が7~8割であった為、値上げしなければ限界利益(販売価格から原料価格等を引いたもの)も稼げず絶対に赤字になることは明白でした。その輸入原料は他の会社の他の製品でも使われるような汎用的な原料であったため、詳細は言わずに、とんでもない原料高が起こっており、値上げラッシュが今後起こるのではないか、ということを主力取引銀行に何度も尋ねてみたのですが、銀行の回答はいつも「日本は今までの原料高は流通の過程で吸収してきたから今回も値上げは起こらないのでは」という回答でした。いや、そんなレベルの値上がりではないということを言っても意見は変わりませんでしたが、実際は残念ながら私の肌感覚のほうが当たってしまい、庶民にとっては厳しい時代がやってきてしまいました。

この時感じたことは2点あります。1点目は「銀行の情報分析力なんて大したことないなあ」というものです。銀行は様々な業種と幅広く付き合っているため、全体的な情報収集力は一般企業とはわけが違うはずですが、それでも、値上げラッシュの可能性を感じ取れないものか、と落胆したものです(銀行員の方、ごめんなさい。その時の担当がいまいちだっただけかもしれませんね)。

もう1点は、「会社で働く」ということが社会経済の状態をいち早くつかむことが出来る場合がある、ということを実感として理解したことです。私がもっと情報に敏感であれば、値上げラッシュに先立って発生した物流網の混乱も、ヨーロッパ行きの船の到着が遅れた為到着後に代金が支払われる条件の入金が遅くなっているという事象から先んじて感じ取ることが出来ていたかもしれません。そうすれば、今後の動きを読んで、予見的・予防的な投資行動につなげられたかもしれません。

私が書くには身もふたもない結論になりますが、働きながら資産運用するのが、情報収集と投資資金調達という2つの意味で一番相乗効果があるのかもしれません。