経理マンでもFIREしたい

〜とあるアラフィフ経理マンの早期退職を目指す日常〜

物事を進めることを意識して資料を作る

先日「仕業の方との関わり方」で記載しましたが、今回もその時に感じたことを記載しました。

私も身に覚えがありますが、会議には直接出ないが上司の指示によって会議の説明資料を作る時に、何を意識しながら作るかということに関する、上司(会議で説明して承認を得たい人)と担当者(資料を作るだけの人)の意識の差についてなかなか埋められないギャップがあるように感じます。

担当者の資料作成の一番の目的は「理想の形に持っていくために説明を尽くすこと」になりがちです。ですので、傾向として、仕事に真面目であればあるほど、一番詳しい人間として「こうあるべきだ」「こうすべきだ」という思いが強く資料上に出るように感じます。その結果として、利害関係が複雑に絡み合う会議の参加者の意識や、承認者の意識の方向等に思い至っていない資料が出来上がり、そのまま提出するとあっさり却下を食らうことになってしまうのが明らかなものを上司は受け取ることになります。しかも、だいたいの場合、会議の前の「根回し」が必要なのに、担当者はそのようなことに意識が至らず、資料が会議の直前にしか出てこない、ということになります。このような場合、最終的には次回の会議に先送り、資料は作り直し、ということになります。

一方、上司の意識としては、一番の目的は「100%理想形でなくても良いから会議で承認をもらうこと(物事を少しでも前進させること)」になることが多いと思います。これは、関係者が多ければ多いほど、物事を大きく変えることは困難であることを知っているからです。また、承認のキーマンの考え方と内容の方向性を慎重に照らし合わせて、最終的な目標を承認してもらうための比較的長い期間の戦略を意識し、今回はここまで承認をもらおう等の戦術に落とし込むことになります。

ゆえに、担当者と上司の意識のすり合わせを資料を作成する前に十分時間をかけて行うことが結果的に資料の作り直し等の無駄な時間を減らすことにつながることになると思います。また、担当者にとっても、関わる人間の範囲が少ない中で資料作成がメインの仕事となっていると分からない「物事の進め方」を少しずつ理解する(上司の立場になる準備をする)ということにもつながると思います。

今回私が遭遇したのは、担当者として真面目に会社の今後のことを考えて資料を作成してくれているが、説明する立場である私ですら内容がよく分からない極めて独りよがりの資料となっていることに加え、常に定量的な説明を求めコストが増加することを極度に嫌う承認者の考え方を理解しておらず「仕業の方に確認した結果、法令順守の観点からこれが一番安全です」というストーリーとなっていた資料を会議の前日に受け取り、1時間以上議論した結果、そもそも「全てのリスク回避が最優先される」という意識が出発点となって資料を作成していたところから私の意識とのギャップが発生していたことに気づいた、という状況です。その担当者は社歴も長く、年齢もそれなりであったことから、承認者や上司の意識をある程度理解しているだろうという私の思い込みから、私の考え方を事前に説明しなかったことが原因となり、お互いに無駄な時間を使ってしまったことを反省しております。

担当者の方は、会議資料を作成する際は、是非事前に上司の意識・考え方をしっかり確認していただきたく思います。そうすれば結果的に、自分の時間を大切にでき、自分の評価を上げることにもつながることになると考えます。