以前経理マンのこだわりについて書きましたが、その続編として「及び」と「並びに」について記載したいと思います。
これらの表現は何かを並列で記載する場合に使用しますが、以下のような使用方法が考えられます。
① A、B及びC(英語のA、B and Cと同じ)
② A及びB並びにC(1つ目が「及び」、2つ目が「並びに」
適時開示資料の表題を見ていただければお分かりになると思いますが、会社によりこれらの使い方が分かれております。正直なところ、見る側はそんなところはどうでも良いのですが、「及び」と「並びに」の使い分けを厳密にする会社はしております。
それに加え、「及び」と「および」の使い分け、というパターンもあります。会社によっては「および」とひらがなで使用することを原則とする、ということろもあります(以前所属していた会社はそうでした)。ただし、面倒くさいのは、会計基準の名称等固有名詞的に使用されている文言の中の「及び」は漢字のままにしておく必要がある、というルールになっていることです。どこで使用されようとどちらか1つに統一できるのであれば、置換等の機能により簡単に統一化できるのですが、場合により使い分ける必要があるので、使用されている部分をひとつひとつチェックする必要が出てくるわけです。私は全く意味のない(生産性のない)ルールだと思います。
決算発表資料は限られた時間で作らなければいけない一方、発表内容の信頼性を確保するため一か所たりとも間違ってはいけないので、非常に神経を使って一言一句チェックすることになります。しかし人間は間違うもの、なかなか完璧なものは作れません。その上に、このような間違いを起こしやすい謎ルールがあったりすると、本当に開示担当泣かせになります。場合によっては決算発表ぎりぎりまで修正に次ぐ修正をすることになります。挙句の果てに発表後に間違っていた、なんてことになったら目も当てられません。私も開示を担当していた間、何度か訂正開示等を行ったことがあります。しかも、本当に馬鹿らしい内容だったりして泣くに泣けず、少なくともその日1日は気分悪く過ごすことになります。
私が経験した訂正開示や開示漏れ、或いは(大声では言えない)間違いのままダンマリも含めていずれ具体的なお話をしたいと思います。