経理マンでもFIREしたい

〜とあるアラフィフ経理マンの早期退職を目指す日常〜

うまくいったけど失敗した仕事2(最後)

前回は株式50%保有子会社の株式を買い取ることにより100%保有にした上で他の100%子会社と合併するプロジェクトに成功したところまで記載しました。

この50%子会社は当社の連結子会社だったので、私が経理をしている時は連結決算を通して子会社の経理担当とやり取りがあり、結構仲良くなっていました。その会社はある地方にあり、その経理担当者は地元に住む両親の面倒を見るためにその50%子会社に入社した、と言うことでした。

合併後はもともと100%子会社だった会社が存続会社となり、本社は当然存続会社の本社になるため、事務部門は地方から本社に集約されることになりました。つまり、その経理担当者は本社のある場所に転居が必要となったわけです。結末は想像つくでしょうが、その経理担当者は転居すると両親の面倒が見れなくなる為退職してしまいました。

私としては、自身の仕事に対して真摯に取り組み一生懸命考えた結果、会社の方針に沿った実施に貢献できた、と思う一方、私の提案が私の親しい人の人生を変えてしまったことに、後悔にも似た感情を持ってしまいました。もし、私があの時私案を提案しなければ、その人は今も50%子会社で安定して働いていたのかも、と思うと、何とも言えない気持ちになります。

私の提案が事態を動かしたのは事実ですし、上記の結果については自分の責任でも何でもないことは分かっているのですが、このような結末になったことに対し、随分と時間が経った今でも、この仕事は成功した、とは手放しに喜べない気持ちでおります。そういう意味で私はこの仕事について「うまくいったけど失敗した仕事」と認識しているわけです。これ以来、現状を大きく動かすプロジェクトは他人の人生を変えることを余儀なくする可能性があるので慎重に幅広く検討すべきだ、ということにも思いを致すようになりました。