経理マンでもFIREしたい

〜とあるアラフィフ経理マンの早期退職を目指す日常〜

だめだったけど成功した仕事

今回は、うまくいったけど失敗した仕事の逆で、「だめだったけど成功した仕事」について記載したいと思います。

以前いた会社で企業グループで統一した生産性基準を設定するように社長より経営企画が指示されました。その会社は機械部品製造会社であり、複数の事業を持ち、拠点は海外にもあるため、普通に考えれば統一の生産性基準を設けるのは難しいというのは想像に難くないかと思います。で、誰も担当する人がおらず、消去法的に私が請け負わざるを得ない状況になりました。

例えば、同じようなものでも、時計の内部に使われるものから船用のものまで大小さまざまですし、事業が異なると、形状が似ていても全く用途や販売価格が異なります。また、同じものを作っていても、前工程は本社、後工程は海外の子会社、となると、その生産性を比較すること自体が困難になります。

生産品目の特性や製造拠点の機能、更には各拠点の製造責任者に相談しながら四苦八苦した挙句、「付加価値額÷投入工数」という算定式にして社長に報告しました。しかし社長は満足せず、再検討するように指示がありました。

もう一度同じような工程を経て、四苦八苦して、責任者には引き続き相談して、結局前回と同じ算定式にて提出いたしました。生産性を測る指標としては分母はインプット、分子はアウトプットにして算定するしかないと考えたからです。

社長には最終的に「まあとりあえずこれでやってみるか」と言っていただき、何とか結論が出ましたが、聞いたところでは、後で「あいつ、見直せと言ったのに同じ案を持ってきたんだよ・・・」とぼやいていた、とのこと。まあ、当然ながらこれで私の印象(≒評価)は悪化しますよね。しかも、最高権力者たる社長にそう思われるのですから、私の社内での立場悪化は明白ですよね。

しかし、今回の私の提案を出すうえでの根本的な考え方は「このような指標を設定して運営してもあまり意味がないと考えるから、せめて各部門での算定が簡単になるものにしよう」というものでした。それを何とかねじ込んで、各部門の負担増を極力回避することには成功した、と言えるのではないでしょうか。

そういう意味で、「だめだったけど成功した」と私は認識しております。仕事というものは斯様なもので、100%満足いく、ベストな結果になることはなかなかありません。その中で、最終的に100%にできるだけ近い、よりベターな結果に結びつけるようにするには今どうすべきか、ということを考えて進めるべきだと学びました。