alagataは経理マン、経営企画マンとして、様々な会社で様々な資料を作成してきました。本日は社内資料作成の際に気を付けていることやこだわりについて、述べてみたいと思います。
一番に重要視していることは、客観性を高める、ということです。数値を扱う役割ですので、客観的数値により表現したいことを端的に表現することを心がけます。
ここで言いたいのは、客観的数値を用いて資料作成すれば客観性が高まる、とは限らない、ということです。例えば、グラフを使って年を追うごとに増加傾向にあることを表現したい場合があるとします。その場合、縦軸のスケールをどうとるか、により見え方が変わってきます。起点となる一番下の数値をゼロにすれば、スケールは全体的に小さくなり、増加幅も少なく見えますが、一番下の数値をゼロにしなければ、スケールは相対的に大きくなり、増加幅が大きく見えるようになります。つまり、大して増えていなくても、大きく増えているかのように見せることが可能になります。なお、このような場合、私は基本的に起点数値は敢えてゼロにして表現するようにしております。
次に意識していることは、必ず分析コメントを加える、ということです。特に経理が作成する資料では、数値を並べてあとは各自見てね、という感じの資料がよく見受けられます。これだとどこに注目すべきか、どのような見方ができるかが分かりません。分析コメントを加えることでそちらに目が行くようになり、客観性を失う部分もあるとは思いますが、如何により客観的な分析をするかを意識しながら作成すれば良いと考えます。そもそも、数値だけであれば客観的か、というと決してそうではありません。様々なデータがある中で、特定の数値を一定の方法でまとめる時点で客観的とは言えないので、完全に客観的な資料などはあり得ません。やはり作り手が、そのような制約条件の中で、如何に客観的に問題点等を指摘できるか、が重要なのではないでしょうか。
ちなみに、分析コメントを加えることによる副次効果として、資料の誤りを見つけることができる、ということがあると考えます。数値を集約することだけでは見つけられない、説明できない原因等から数値自体の誤りを発見することは、資料作成する方にはよくお分かりだと思います。ですので、私は部下に常々言っていることは、資料作成をいかに効率的に行い、分析に時間をその分回すかを意識してほしい、ということです。
このように、資料を効率的に作成し、かつ効果的に表現できるようになることが、AI等の発達によって単純作業がなくなっていくことが想定される経理業務において、今後の経理マンにとって重要な能力になってくると考えております。