経理マンでもFIREしたい

〜とあるアラフィフ経理マンの早期退職を目指す日常〜

DOEという指標

株式投資をされている方はご存知かと思いますが、配当政策に用いられる指標の中にDOEという指標があります。計算式は以下の通りです。

DOE(株主資本配当率)=配当金÷自己資本

配当金による収益フローの安定化、増大を狙う私はこの指標を極めて重要視しております。その理由を述べていきたいと思います。

配当政策で有名なのは配当性向でしょう。配当性向は当期j純利益に対しての配当割合を表す指標となります。私は、この配当政策には大きな欠陥があると考えております。それは、当期純利益が多く出たときには配当が大きくなり、当期純利益が少ない時には配当が少なくなるというものです。当期純利益は会社の営業状況の結果による営業利益だけでなく、一時的に発生する特別損益の影響を大きく受けます。業績が悪化すると自動的に配当が下がってしまうというところも問題ですが、例えば、多額の特別損失を計上すると配当が少なくなる、多額の特別利益を計上すると配当が大きくなる、といったことが頻繁に発生することになります。実際は、このような特別損益を控除したベースで配当額を決めることが多くなるようですが、特別損益が毎期発生すると、配当政策に沿った配当が実施できない年が多くなり、最終的に配当政策とは?といったことにもなりかねません(実際の配当額が配当政策である配当性向○○%と乖離した理由を一生懸命説明している決算説明資料を公表している会社もありますが、決算説明資料を作成したこともある私からすれば、正直格好悪いことこの上ないです)。

もうお分かりと思いますが、配当収入の安定化を狙う私からすると、配当額が不安定になる可能性が高い配当性向は受け入れがたい政策となるわけです。もちろん、資金需要が多い会社にとっては配当性向は合理的な収益配分方法といえますが、資金需要が乏しく財務基盤が安定している会社にとっては、配当性向を配当政策とする理由はないと言って良いでしょう。

その点、DOEは配当収入の安定化を保証する政策と言って良いでしょう。上述の式をご覧いただければお分かりだと思いますが、DOEは自己資本が増えれば配当が増えるという仕組みになっています。つまり、会社が利益を上げて自己資本を増やしている限り、配当は増え続けるということです。逆に、万一赤字になった年があったとしても、配当は若干減るにとどまる(ゼロになることはない)ということになります。

最近ではコーポレートガバナンス・コードの導入や東証市場改革により、株主還元に積極的な会社が増加し、DOEを導入する会社も増えてきました。中にはDOEと株価等他の指標を組み合わせる政策を打ち出す会社も出てきており、私のような投資スタイルの人間にとってはチャンスが広がる状況といえるでしょう。