経理マンでもFIREしたい

〜とあるアラフィフ経理マンの早期退職を目指す日常〜

私が出会った「頭が良い」と思った人

人生の中で、時々「この人は無茶苦茶頭がいいなあ」と思った人が何人かいます。本日はその人たちのお話をしようと思います。なお、私は凡人であり、私の生きてきた範囲で出会った人たちの中でのことですし、飽くまで私が思ったことですので、世間一般的に「頭が良い」とは決して一致しない、ということは予め申し添えます。

一人目は大学で出会ったゼミの先輩です。この方は研究の道を進み、大学院に上がって程なく学芸員となり最短で博士課程を修了、すぐに助手(助教)になり、近くの他の大学の助教授(准教授)を経て、若くして母校の教授に収まった、という方です。研究分野はメジャーではないので有名な方というわけではないですが、ゼミでの研究発表でも一際異彩を放っていたことを記憶しております。噂で聞いたところでは、センター試験もかなりの高得点だったようであり、もっと良い大学(関西でも有名な大学)にも行けたのに行かなかった理由は「家から遠かったから」とのこと。あまり裕福なご家庭ではなかったとの話も聞いていたので、定期代を節約するためだったと推測しています。私が最終的に研究の道を諦めた理由の一つは、このような方と競争しながら、少子化の日本で、日の当たらない分野の先生となり研究を続けていく自信が全く持てなかったから、というのがあります。

もう一人は、新卒で入った会社の一年上の先輩です。この方は地方のそう有名ではない(少なくとも私は聞いたことのない)公立高校から現役で東大に合格された方でした。衝撃を受けたのは、エクセルの関数の説明を受けていた時です。入社して数年たち、仕事にも徐々に自信を持ち始め、仕事柄エクセルを多用するのでエクセルテクニックもかなり鍛えられていたと自信を持っていたのに、その時の流れるような説明を全く理解できずに、途中で頭が理解するのを諦めた、という状態になりました。今までそのような経験は殆ど記憶になかったので、ああ、この人は私とは頭の出来が全く違うのだな、と恐れおののいたものです。その方は他の部署に異動した後、30歳前後で転職、その後30代で新興の上場企業の執行役員、取締役を経て、現在は違う会社の社長をされているようです。

このお二人に共通していることは、若いうちから自分の人生をしっかり見据えて、それを実行してきた(実行するための努力と実現するための能力を備え持っていた)ことだと考えております。外から見る分には順風満帆でスマートな生き方に見えますが、見えないところでは色々考え苦しみ努力されていたことでしょう。世間的には無名と言っても良い方々ですが、私にとっては大きな影響を受け、人生の指針となった方々でした。会社の先輩は「会社が自分をどのようにしたいか分からない。自分の目指す方向と合わない可能性が高い」とのことで転職されて、その後転職先の会社で自分が志向した技能を磨き、その能力で上場企業の取締役までなられた方でした。その先輩の姿勢を見て、私も「自分の目指すことが可能な環境を積極的に求めていくべきだ」と考え転職を決意しました。その結果、現在の自分がおります。後悔はしておりません。

若いうちは、歳を重ねて知識と経験を積めば色々なことの正解(あるべき姿)が分かるようになるはずだ、と考えておりましたが、歳と共に何が正解かどんどん分からなくなってきております。そのような中、お二人の生き方は何かと自分にとって助けとなり、今となってはお二人に出会えたことを非常に感謝しております。