経理マンでもFIREしたい

〜とあるアラフィフ経理マンの早期退職を目指す日常〜

私の投資遍歴 5(アクティビストからの学び)(最後)

2008年に帰国してからの私は、仕事面では割と充実した時を過ごしておりました。管理的な立場で、初めて会計基準の担当や決算短信など開示資料の作成を担当し、最近では決算説明資料の作成や、そこに記載する各種政策の立案まで携わることになりました。その過程で、今まで全く理解していなかった決算短信有価証券報告書の作り方を学び、そこから、どこにどのような情報があり、それをどのように活用すべきかということについて、思いを致すようになりました。

そのようなときに、当時私が勤めていた会社の株主に外国人アクティビストが入り込んできました。彼らの手口は狡猾で、低い株価で株を買い集め、会社に圧力をかけて各種政策を変更させ、結果吊り上がった株価で株を売却する、というものでした。ただし、私はアクティビストの目の付け所の鋭さに感心しました。この時注目したアクティビストのターゲット選定方法を自分なりに分析したところ、以下の特徴があることが分かりました。

①業績が安定している(コロナでも利益水準に大きな影響がない)

②古いが、時代の移り変わりにも影響が少ない、強い事業を主力として持っている

③財務基盤が安定している(もっと株主還元できるのにしていない)

④株価が低い(PBR1倍以下)

⑤経営トップが長期間(10年以上)居座り続けている

実は⑤がポイントで、ここに働きかけて非上場化させる、その際株を高く売り抜ける、というのが彼らの作戦です。ただ、①~④も実に素晴らしい視点であり、彼らがその選定企業(の経営陣)を手玉に取って巨額の利益を稼ぐのを見て、私も同じような(①~④の)視点で投資先を選定してみよう、ただし、私は彼らと違って日本人なので、会社を応援・監視する立場で投資しようと思いたち、2021年から日本株投資を再開しました(具体的な銘柄選定方法については「経理マンの投資ツール」参照)。

再開した時期が良かったこともあり、現時点ではそれなりに順調に運用できていますが、躓き及びその後に仕事で積み上げた知識・経験が下支えしての結果だと信じております。大きな躓きを二度も経験しましたが、それも経験として必要だったのかな、と思えるようになってきた今日この頃です。