経理マンでもFIREしたい

〜とあるアラフィフ経理マンの早期退職を目指す日常〜

謎の会社、キーエンス

以前経営に関する本を多く読んだことを申し上げましたが、個々の会社にも興味を持ち調べた中で、情報が無く理解が進まなかった会社がいくつかありました。私はメーカーの経理マンなのでメーカーに興味を持っていたのですが、その中にキーエンスという会社があります。

キーエンスは大阪に本社がある工場自動化(FA=factory automation)機器の会社です(正確には生産拠点を持たないファブレスの会社なので、メーカーではないかもしれませんが)。世間一般的にはあまり有名ではないかもしれませんが、この会社は大きな特徴を持っています。

一つ目は営業利益率が50%超というメーカー(?)にしては驚異の利益率を誇る会社ということです。キーエンスに関する本はなかなか見当たらなかったのですが、ネット等で得た情報によると、利益率を改善するために、営業利益率20%の事業を売却したとか・・・20%だと低いのでいらないとか、ちょっと考えられないですよね。

もう一つの特徴は、高い平均年収です。最新の有価証券報告書によると、その額約2,300万円!下手な会社役員より高い給与と思います(ただし、退職金制度はないようなので、その分は差し引いて見る必要はあります)。その代わり「30代で家が建つ、40代で墓が建つ」と言われるほど激務のようです。その他に聞いた話では、エレベーターから出る順番は、地位に関わらず出口から近い人からということのようです。合理的ですね。営業活動も合理的なようで、営業車にはGPSが付いており行動が全て把握されているとか。営業担当は大変ですね。

経理マンなので経理関係の話をしますと、交際費という勘定科目はない(会社の経費で食事することはない?)と聞いております。また、自己資本比率は95%を超え、買掛債務等負債の金額の小ささも、特徴の一つです(なお、退職給付債務が計上されておりませんので、退職金制度がないことの証左となります)。昔、震災による部品供給に制限が出た時に、供給業者は日ごろの恩返しということでキーエンス向けを優先した、それほど強固な信頼関係がある、といった内容の雑誌記事があったように記憶しておりますが、そんな訳ないだろう、単に支払い期日が他の取引先より早いから供給業者はお金欲しさに優先しただけだろう、と思っております。また、会計監査報酬も驚異の低さであり、どのような体制を組めばそれほど低く抑えられるのか知りたいぐらいです(同じ監査法人の監査を受けていた時、監査報酬を低くするために「少しでもキーエンスと同じような体制にしたいから教えてほしい、その分監査報酬下げてほしい」と言いましたが、教えてくれませんでした・・・)。

キーエンスの強さは「即納体制の構築」これに尽きるように思います。競合はいるのに、それに打ち勝てるサービスとして、他社が真似をできないサービスなのでしょう。現在所属している会社では即納はもちろん、希望納期通りの生産すらできていなので、即納体制の構築・維持にはかなりの労力がかかるものと推察します。

情報が少ないので何とも言えないですが、全体的に極めて合理的な体制にて会社が運営されているように感じます。長く勤めたくはないですが、どのような体制か知るために、一度働いて見たかったなあと思う今日この頃です。