経理マンでもFIREしたい

〜とあるアラフィフ経理マンの早期退職を目指す日常〜

日経平均史上最高値更新に思う

本日は別の話題にしようと思っていたのですが、一投資家としてはやはりこの話題に触れないわけにはいかないと思い、急遽本日はこの話題にいたしました。

投資をされていない方でも、昨日はこのニュースが結構取り上げられていたのでは、という印象をお持ちではないでしょうか。日経平均が34年ぶりに最高値を更新したという話題です。今までの最高値は1989年の3万8,957円とのこと、「失われた30年からの回復」などと言われております。株価は今年に入ってから上昇速度を速め、日経平均終値ベース)で言えば1月だけでも約+2,800円、率にして+8%以上の上昇となっておりますし、2月も現在のところ同様に約+2,800円、率にして+8%程度の上昇と、上昇の勢いが続いている状態です。ニュースの傾向を見ると、「日本人の脳裏に染みついた「株は上がらないもの」というマインドセット(思考様式)に変化を迫るに違いない」「日本企業への評価高まった」等といった、非常に前向きで画期的な出来事としてとらえられている向きがあるようですが、私は一概にそうとは限らないと認識しております。

以前申し上げたように、私は日経平均よりTOPIXを重要視しており、その状況は以下の通りです(YAHOO!ファイナンスよりalagata作成)。

日経平均

年月    終値   上昇額  上昇率

2024年2月    39,098.68 2,811.97 7.7%
2024年1月    36,286.71 2,822.54 8.4%
2023年12月  33,464.17

●TOPIX

年月    終値    上昇額  上昇率

2024年2月    2,660.71 109.61 4.3%
2024年1月    2,551.10 184.71 7.8%
2023年12月  2,366.39        

ちなみにTOPIXの史上最高値は2,884.80ポイント(昨日更新される以前の日経平均最高値とほぼ同じタイミングの1989年末)のようです。

ご覧いただいてもお分かりの通り、2月に入ってから日経平均とTOPIXの上昇率が大きく乖離しております。なお、私の保有日本株の評価額も、1月は大きく増加しましたが、2月は現在のところ、殆ど上昇しておりません。つまり、全体的な上昇はしているものの、その上昇は日経平均を中心とした特定銘柄に大きく偏っていると言えるのではないかと考えております。

株価上昇の理由は海外からの資金流入によることが大きいとの情報ですが、これは、日本が円安であり、株価も比較的低く安心して投資できる、ということの現れかと思います。この意味は、日本の物価が低く、物価上昇余地(≒インフレ可能性)が他の先進国より高く、これに伴う企業収益の継続的改善が期待できる、という意味だと考えております。実際、アメリカでは物価の上昇と株価の上昇が長期的な観点からは継続している傾向だと私はみております(ですので、株を持つことはインフレ対策になると考えているわけです)。

従って、日本の株価上昇は今後もある程度続くが、それはインフレが続く範囲だと思っており、インフレの要因の一つに円安があると考えておりますので、近々実施されるであろう日本の金融緩和解除(及び海外の利下げ)により円高が進めば、この動きが急速にしぼむリスクも大いにあるのでは、と懸念しております。私としては、「日本企業への評価高まった」等と喜ぶのは、少なくともTOPIXの史上最高値を更新してからではないかと考えている次第です。